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イザベラ・バード

イザベラ・バード 『朝鮮紀行』(講談社学術文庫)3/3

p152−9 第9章「結婚にまつわる朝鮮の風習」 ソウル近郊の漢江流域の町である婚礼の風景に出会った。結婚、弔い、悪魔祓いには朝鮮らしさがよく表れている。 縁組の最初の段階では一般に仲介者が入る。新郎の父親から新婦の父親に金銭が渡されることはない。…

イザベラ・バード 『朝鮮紀行』(講談社学術文庫)2/3

『朝鮮紀行』は旅行記だから、現代の読者がほとんど知らない朝鮮半島の当時の暮らし、風物などにも、もちろん多くのページが割かれている。当時の朝鮮の宗教事情と結婚にまつわる風習の章が興味深かった。 世界宗教を受け入れなかった朝鮮 p85−92 第4章「朝…

イザベラ・バード 『朝鮮紀行』(講談社学術文庫)1/3

イザベラ・バードはイギリス北部、ヨークシャー出身の女性旅行家、紀行作家である。1878年頃には日本の関東・東北・北海道を旅して名高い『日本紀行』(講談社学術文庫上下2巻)を著した。東京から青森までの民衆の暮らしの紹介も興味深かったが、特に北海道…

イザベラ・バード 『イザベラ・バードの日本紀行』下巻(講談社学術文庫)3/3

p102−9 変えようのないアイヌの生活 アイヌの生活は臆病で、単調で、ものがなく、退屈で、希望がなくまったく神のいない生活です。とはいっても、他の多くの先住民のそれよりはかなりましなものではあります。それにいまさら言うまでもなく、わたしたちの国…

イザベラ・バード 『イザベラ・バードの日本紀行』下巻(講談社学術文庫)2/3

p90 売買や商業にはおよそ向いていないアイヌ アイヌは客人にはさかんに与えようとするものの、こちらが何か買いたいと申し出ると、自分たちのものを手放したくないと言います。彼らが実際に使っているもの、たとえば煙草入れときせる、柄とさやに彫刻を施…

イザベラ・バード 『イザベラ・バードの日本紀行』下巻(講談社学術文庫)1/3

下巻の読みどころは当時のアイヌの記録。著者が北海道の平取(びらとり・苫小牧の東約30km)地区で実際に体験、見聞したものである。明治初期のアイヌの実生活の様子が、日本政府の意向をまったく気にしないイギリス上流女性の目線で遠慮なく描かれている…

イザベラ・バード 『イザベラ・バードの日本紀行』上巻(講談社学術文庫)2/2

p425−8 秋田・大館にて 誠実さと礼儀正しさ わたしは、日本の宿屋の経営者は、外国人に対しては日本人よりも高い料金をとってもいいと思います。なぜなら日本人なら六人から八人が喜んで泊まる一室を外国人は一人で占領し、室内で水を使えるようにしろとか…

イザベラ・バード 『イザベラ・バードの日本紀行』上巻(講談社学術文庫)1/2

イギリス北部、スコットランドに近いヨークシャーの上流夫人が、明治10年頃の日本、それも江戸時代の匂いが濃厚に残る東日本の農山漁村を、たった一人の忠実な男性通訳兼従僕とともに踏破した旅行記である。イザベラ・バードはウィキペディアによれば、当時…