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ウィリアム・ジェイムズ

ウィリアム・ジェイムズ 「心理学」(岩波文庫)

翻訳者の「あとがき」にあるように、刊行後百年以上たっても一定以上読まれ続けている心理学研究の名著である。脳や神経系統の生理学方面については、今日の研究成果が著しいので、ジェームズの説はまったく読む必要はない。 『プラグマティズム』の著者であ…

ウィリアム・ジェイムズ 「プラグマティズム」 4

p168 先験的合理主義者にとっては、プラグマティズムが言う「経験によって成就しつつある真理」などは「心理学的な事実」、「思想家めいめいの考え」でしかない。彼らは、経験相にある泥まみれの実例の背後に、より高い真理の相があると考える。机上であれ…

ウィリアム・ジェイムズ 「プラグマティズム」 3

p87 世界の設計者が誰であるかが問題なのではない。その設計が何であるか、世界とは何であるかがはるかに大きい問題なのだ。 世界に生み出されるものが何であろうと、たとえば最近の大噴火や大洪水による人畜の死、家屋の崩壊、船の沈没などすべてが起きる…

ウィリアム・ジェイムズ 「プラグマティズム」 2

p59 もし神学上の諸観念が、ある人の人生にとって価値のあることが事実ならば、その観念はその限りにおいて善であることを、プラグマティズムは認める。なぜならその観念がどれだけ真であるかということは、その人にとって重要な、他の真理との関係に依存し…

ウィリアム・ジェイムズ 「プラグマティズム」 1

p33−34 ある哲学者に対するわれわれの好悪の反応は、その哲学者が要点をかいつまんでゆく感応の正確さに左右される。それが読者に、ジグソーパズルの正しいピースのように、問題にぴったり嵌合する印象を与えられないとき、その哲学者の体系は社会から受け…

ウィリアム・ジェイムズ 「宗教的経験の諸相」 2

p187 世界は、科学の許容する以上に多面的なものである。常識とか数学とか幻覚とか、私たちの多かれ少なかれ孤立した観念体系による検証とは、結局一体何なのであろうか。世界は、これを扱う人に対して、いつでも彼が求める種類の利益を与えるが、同時にそ…

ウィリアム・ジェイムズ 「宗教的経験の諸相」 1

p26-31 宗教的用語と私たちの生活用語は基本的には同じ言葉である。だから生きた真理の啓示として独自な価値を持つ宗教現象に対しても、私たちは、脾臓や肺や腎臓や性欲の疾患あるいは昂進が原因だとする、まことにみすぼらしい象徴しか供給できないことが…