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ウィングフィールド

ウィングフィールド 『フロスト始末』 創元推理文庫

6作品、9巻にわたって楽しませてくれたウィングフィールドの遺作である。上下巻あわせて約900ページ。これまでの作品と同じように、この『フロスト始末』 にも数々の変態的な犯罪が、読者がその場を目撃しているかのような迫真の描写力で描かれている。…

ウィングフィールド 『冬のフロスト』(創元推理文庫)

養老孟司さんが激賞している現代イギリス警察小説「ジャック・フロスト警部シリーズ」の、邦訳のあるものでは最後のもの。 養老さんが「あとがき」で言っていることだが、主人公フロストは一種のアンチヒーローである。人智を超えた推論の力で難しい事件を解…

ウィングフィールド 『夜のフロスト』(創元推理文庫)

シリーズとしては3作目。700ページを超す大部。持ち歩くときはかさばるが、作者ウィングフィールドは読者を退屈させるなどと失礼なことはしない。 あいかわらずジャック・フロスト警部は無茶なことを部下たちに言う。「連続老女切り裂き魔のくそ野郎は、現場…

ウィングフィールド 『フロスト気質』(創元推理文庫)

養老孟司の「おすすめ本リスト」で激賞されていたイギリスの警察小説シリーズ。作家の四作目にあたる。もともと養老さんの薦める本は、小説だけはぼくの肌にあわないのが多かったのだが、このウィングフィールドのものほど、病院の待合室で読んで、電車の中…

ウィングフィールド 『フロスト日和』(創元推理文庫)

『クリスマスのフロスト』につづくウィングフィールドの、いわゆるモジュラー型警察小説の二作目。『クリスマスのフロスト』以上の傑作だ。 郊外の深い森の中の連続婦女暴行事件、公衆便所に浮かんだヤク中浮浪者の死体、轢き逃げされた貧しい老人、轢き逃げ…

ウィングフィールド 『クリスマスのフロスト』(創元推理文庫)

いくつもの事件が時間差攻撃のようにほぼ同時に発生し、それを刑事が追いかけていく小説をモジュラー型警察小説と呼ぶそうだ。『クリスマスのフロスト』はその典型のような作品である。刊行の1974年、ロンドンの新聞書評でも「・・・・・巧みに配された謎、…