カフカ
4年前に読んだのだが、家族が一週間後に手術というとき、とても600ページは読み続けられる小説ではなかった。200ページであきらめた。テーマは「審判」とおなじだ。なぜ私たち自身が「いまこのようであらねばならないか」という不条理性。 そのあと、たまた…
学生のとき読んだ『変身』はまったく分からなかったが、今度はそうではない。夕暮れの濃霧のような係争人の架空世界がていねいに説明されて、読む人は「動かしえないもの」に対する無力感にどうすることもできない。全編が暗喩なのだろうがプロットは理解し…