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ガルシア・マルケス

ガルシア・マルケス 『エレンディラ』(岩波文庫)

ガルシア・マルケスは南米コロンビアのノーベル賞作家。下の三つの断片のように、およそ超常現象的なことを、こういうことが起きるのが南米の大地だとして、時に望遠レンズ風な、時に顕微鏡レンズ風な文体で、なにくわぬ顔をして描く。 ラテンアメリカの、北…

ガルシア・マルケス 『百年の孤独』(新潮文庫)

数十人の登場人物が大佐アウレリャノ・ブエンディアの家族とその周辺で織りなす、いかにもスペイン語圏らしい、機械とか理性とか社会規範とかが存在しないような、世界の全部を自分の手で小麦の粉からこね出したような、親と子と男と女の愛と憎しみの物語で…

ガルシア・マルケス 『誘拐の知らせ』(ちくま文庫)

麻薬輸出国コロンビアの、国家としての混乱を深層から描いたエンタテインメント小説。麻薬シンジケートによる政府要人の誘拐によって背面から揺さぶられ、最大の麻薬消費地・アメリカからは正面切っての貿易断絶圧力を受けて、コロンビアの若い熱血大統領の…

ガルシア・マルケス 『予告された殺人の記録』(新潮文庫)

ガルシア・マルケスははじめて読む。被害者が残忍に切り刻まれた殺人事件だが、その男は殺されて当然の人間だった。犯人も、動機も、場所も、手口も全部が街中の人に知られているという、近代西洋社会ではあまりありえない話が書かれている。 殺人事件のトレ…