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ジュリアン・グラック

ジュリアン・グラック  『シルトの岸辺』(岩波文庫)2/2

本国オルセンナの元老院が砦を守る主人公に命令書を送ってくるページがある。旧日本軍や自衛隊の命令書もかくのごときものであ(った)ろうと思わせて笑わせてくれる。 「貴官が独断で行った砦の防衛機能回復工事については、本国政庁としてはかかる措置につ…

ジュリアン・グラック  『シルトの岸辺』(岩波文庫)1/2

文庫で500ページを超す大作。その全ページが「意味伝達」という言葉の一義的な機能を放棄している文体で貫かれている。とはいっても、プルーストよりもわかりやすく、ジョイスなどとは比較を絶して親しみやすい。 ジュリアン・グラックはサルトルの同時代人…