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ジョン・ダワー

ジョン・ダワー 『アメリカ 暴力の世紀』(岩波書店)2/2

p116-7 独善的な人間は相手の心理を正確におし測ることができない。それは個人でも軍隊の官僚組織でも同じである。1961年から68年まで国防長官を務めたロバート・マクマナラは、そのあと何十年もたって、2003年、ベトナム戦争敗北の原因について初めて簡潔…

ジョン・ダワー 『アメリカ 暴力の世紀』(岩波書店)1/2

THE VIOLENT AMERICAN CENTURY というのがこの本の原題である。直訳すれば『暴力的なアメリカの世紀』。日本の読者がこの邦題を目にするとき、これではあまりにアメリカに対して侮蔑的に映ることを慮って『アメリカ 暴力の世紀』としたと、訳者が冒頭に付言…

ジョン・ダワー 「昭和」 3

p181−2 戦後、アメリカに対する国家主権の従属が軍事問題に限られていたなら、「白人国家の永遠の部下」という日本人の心理的負担はもっと少なかったかもしれない。アメリカは世界の軍事覇権国家なのだから。しかし、キッシンジャーが日本に秘密裏に中国と…

ジョン・ダワー 「昭和」 2

p55 日本でも原爆は研究されていた。しかしそれはいかんともしがたいほど細分化され、人員の配分も不適切で、研究者は個人レベルでの疑心と葛藤に苛まれていた。また軍や国家の上層部でも陸軍と海軍、陸軍参謀本部と前線指揮官、海軍の指揮系統間、統制派と…

ジョン・ダワー 「昭和」 1

p3 太平洋戦争に敗れたとき天皇退位の機会は三度あったが、いずれもマッカーサーによって退けられた(天皇が退位に積極的だったにもかかわらず、という意味ではない)。天皇が戦争の最高指導者として自ら責任を取る形で退位していれば、戦後政治における心…

ジョン・ダワー 「敗北を抱きしめて」

上巻p230 第二次大戦中、戦時動員の労働者を国策に協力させるために全力を挙げていた『協力新聞』は、戦後になると「どんな経験でもこの世に無意味なことなどありえない」として、敗戦に対する保守派の反応を典型的に告げていた。 「日本、アメリカ、世界人…