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トクヴィル

トクヴィル 「フランス二月革命の日々」

疲れる本だった。百五十年前のヨーロッパに乱立していた王国の宮廷の闇は、十人の腹黒い高級廷臣が伝言ゲームをやるような世界である。規模をうんと縮小すれば、徳川の将軍と老中と会津と薩摩と長州と土佐と天皇と関白に、西郷と大久保と松陰が加わって、や…

トクヴィル 「アメリカの民主主義」 4

p19 (近代になって車裂きなど残酷な刑罰を行わなくなった)われわれの優しさの理由は、文明や啓蒙よりは境遇の平等に帰すべきである。人民の地位が平等であるときは誰でも他のすべての人の感覚を瞬時に判断することができる。仲間の身体が痛めつけられれば…

トクヴィル 「アメリカの民主主義」 3

第三巻 p26 共通の観念なくして共通の行動はなく、共通の行動なくしては人間は存在しても社会はない。社会が存在し繁栄するためには、市民の精神がいくつかの主要な観念によってまとめられている必要があり、教条的信仰は不可欠である。 p29−32 市民がたが…

トクヴィル 「アメリカの民主主義」 2

第二巻 p30 どんな集落にも新聞があり、それぞれがありとあらゆるやり方で政府を攻撃し、また擁護する。新聞の創刊は簡単で誰でも手を出すことができるが、競争のため大した利益は期待できない。特に有能な事業家は乗り出そうとはせず、また数が多すぎるた…

トクヴィル 「アメリカの民主主義」 1

十九世紀のフランス中級貴族が書いたアメリカ(人)論の古典である。アメリカがなぜヨーロッパ諸国を出し抜いて世界最強になりえたのか、今没落の兆しが見えているのはなぜなのか、明るいアメリカ人が時々狂ったように獰猛になるのはどうしてか・・・、フランス…