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プルースト

★プルースト 『失われた時を求めて 10 囚われの女』(岩波文庫)10/13

バルベックの保養地で見初め、「私」がやっとの思いで手に入れた美しい少女アルベルチーヌ。本巻は、そのアルベルチーヌがバルベックで一瞬そぶりを見せたようにやはりレズビアンなのではないか、あるいは男も悪くないと思ってパリのどこかで会っているので…

★プルースト 『失われた時を求めて 9 ソドムとゴモラⅡ』(岩波文庫)9/13

前の巻に続いて主要登場人物のソドム(男性同性愛)とゴモラ(女性同性愛)が語られる。いま小説で同性愛を書いても何も新鮮味はないが、プルーストの時代では社会の「良識派」が指弾の標的にするスキャンダルであり、貴族であれば表向きの社交界から招待状…

★プルースト 『失われた時を求めて 8 ソドムとゴモラ Ⅰ』(岩波文庫)

長大な『失われた時を求めて』の半分をようやく越えた。読むのはたいへんだが、トルストイ『戦争と平和』と違って読者に対する説教臭さがみじんもないのがありがたい。 『ソドムとゴモラ』はその名の通りソドム(男性同性愛)とゴモラ(女性同性愛)が中心テ…

★プルースト 『失われた時を求めて 7 ゲルマントのほうⅢ』(岩波文庫)7/13

この第7巻は、主人公「私」をめぐる人間関係が前の第6巻とはかなり変わってしまったところから始まる。「私」をあれほどかわいがってくれた祖母が亡くなって数か月がたっており、「私」は祖母を思い出して気がふさぐこともほとんどなくなっている。第1・第2…

★プルースト 『失われた時を求めて 6 ゲルマントのほうⅡ』(岩波文庫)6/13

この巻は全14巻の中で本文380ページほどと特別に「薄く」、外見だけはとっつきやすそうだ。だがそのうち前半の300ページほどは、わずか2、3時間のお茶会で繰り広げられる、「私」をふくめた上流貴族社会のばかばかしい戯画で塗りたくられている。訳…

★マルセル・プルースト 『失われた時を求めて 5 第三篇 ゲルマントのほう Ⅰ』5/13

pu p187 夢と覚醒について プルースト(1871~1922年)はフロイトと同時代の人なのだが、フロイトの『夢判断』(1900年)は読んでいなかったらしく、眠りと覚醒を精神錯乱と復活ととらえていた。当時はそれがまだ一般的には「進んだ認識」だった。プルース…

★プルースト 「失われたときを求めて 4 第二篇花咲く乙女たちのかげにⅡ」(岩波文庫)4/13

全14巻の4冊目!前途ははるかに遠い!訳者・吉川一義氏は刊行前の約束どおり、半年に一冊必ず出してくる。頭がたれる力業である。ノルマンディー海岸でのリゾート生活を描いたこの巻は本文だけで650ページを超える大冊だが、主人公の「私」の意識の流れ方に…

プルースト 『失われたときを求めて 3 第二篇 花咲く乙女たちのかげに スワン夫人をめぐって』(岩波文庫)3/13

翻訳者・吉川一義氏によれば、岩波文庫版全十四巻のうち読者がもっとも苦労するのが第三巻に当たる本巻らしい。スワンとオデットの娘であるジルベルトへの「私」の恋心と自意識が全巻を覆いつくしていて、その全長何千メートルもある蛇のような自意識の流れ…

プルースト 『失われたときを求めて 2 第一篇「スワン家のほうへⅡ(スワンの恋)』」2/13

p404-14 この巻においてスワンの中でオデットが決定的に変貌し、穏やかな情愛で愛される女性になる。もちろん数十ページ前からその準備は巧みに描かれているのだし、次の篇でスワンがオデットと結婚するのだから、この変貌は予想されていたのだが・・・。…

プルースト 『失われた時を求めて』 第一篇「スワン家のほうへⅠ」1/13

昔、新潮社・井上究一郎訳の8巻本を買って読み始めたわたしもそうだったが、『失われた時を求めて』を読もうとする人は最初の10ページほどで挫折する。岩波文庫の今回の新訳でいうと、有名な「ながいこと私は早めに寝むことにしていた」という書き出しか…