アクセス数:アクセスカウンター

マックス・ウェーバー

マックス・ウェーバー 「古代ユダヤ教」(岩波文庫・下)5/5

パリサイびとの教条主義への反発からキリスト教が生まれた p916 当時、もっとも厳重なレビ的清潔・敬虔を誓うパリサイびとと、ごく普通の不浄な生活をしているユダヤ人のあいだに激しい憎悪が生じていた。ナザレのイエスが、他の人たちとの食事、交際、結婚…

マックス・ウェーバー 「古代ユダヤ教」(岩波文庫・下)4/5

パーリア状況を「栄光」化させることでユダヤ教は完成した p826 バビロンに移送されたユダヤ人は、バビロニアやペルシアの貴族の地代徴収者、使用人となるものがかなりの数にのぼった。また、商業とくに貨幣の両替業に従事していたものも多い。これは、まさ…

マックス・ウェーバー 「古代ユダヤ教」(岩波文庫・下)3/5

ユダヤの終末待望論は、現世の霊的問題に対する徹底的な無関心を生んだ p752-4 インドでは、現世の意味いかんを問う問題、すなわち苦悩と罪責を負わされた破れやすい人生の無常や、その矛盾葛藤を正しく弁明すべき根拠は何であるかという問題は、あらゆる宗…

マックス・ウェーバー 「古代ユダヤ教」(岩波文庫・下)2/5

イスラエルの神ヤァウェが興味を持ったのは、戦争という無慈悲な世界だけだった p694 イスラエルでのような、預言する恍惚師による自由なデマゴギーというものは、他のどこにも伝承されていない。ローマのような官僚主義帝国ではただちに宗教的警察権力が介…

マックス・ウェーバー 「古代ユダヤ教」(岩波文庫・下)1/5

都市のパトロンに支えられ、生活に困窮していなかった旧約の預言者たち p653-5 預言者が語るのは、そのほとんどが国家と民族の運命である。しかも必ず、権力をにぎる者たちに対する感情の激した攻撃の形をとる。ここに「デマゴーグ」が、歴史上確認しうるか…

マックス・ウェーバー 「古代ユダヤ教」(岩波文庫・中)3/3

知識人であるユダヤ祭司たちは、怪物や竜が暴れまわる天地創造譚を嫌悪した p536 魔術は、他の古代世界では大きな地位勢力を持っていたが、イスラエルではそうではなかった。イスラエルにもあらゆる魔術師がいたが、指導的なヤァウェ主義サークルのレビびと…

マックス・ウェーバー 「古代ユダヤ教」(岩波文庫・中)2/3

エジプト大文化圏の辺縁にいたというユダヤ教の「幸運」 p409−14 古代イスラエル王国の政治的状況が憂慮すべき事態となるにつれて、どのような社会的不法行為や過失が神を怒らせたのか、また、どうすればヤァウェをなだめることができるのかが、ひろく一般…

マックス・ウェーバー 「古代ユダヤ教」(岩波文庫・中)1/3

嫉妬深く死者崇拝も許さないヤァウェ p305 ヤァウェはエジプトやペルシャといった他の古代宗教の神と異なり、「他の神を嫉妬する神」であった。そして、此岸の出来事にはおおらかだった他の神と異なり、もろもろの世俗事にいちいち干渉する神であった。この…

マックス・ウェーバー 「古代ユダヤ教」(岩波文庫・上)3/3

ヤァウェの方から言い出した「個人的約束」としての恩寵 p212 イスラエルとは、明白な伝承に従えば、氏族連合(ブント)の戦争神であるヤァウェとの間に結ばれ、ヤァウェの指導下に維持された軍事連合の名である。一つの部族を示す名では決してない。 p224…

マックス・ウェーバー 「古代ユダヤ教」(岩波文庫・上)2/3

ヤコブの時代、妻を妹と偽って王に献上することは「悪」ではなかった p126−7 この時代の家畜飼育部族は、ベドゥインにおいて典型的であるように、非常に好戦的だった。伝承によれば、ベドゥインのカリスマによって召集された軍は二回にわたって選別される。…

マックス・ウェーバー 「古代ユダヤ教」(岩波文庫・上)1/3

訳者(内田芳明)まえがき 賤民宗教のユダヤ教が世界宗教に発展したのはなぜか 近代西洋の文化形成の根底にはウェーバーの言う「合理的(禁欲的)実践的生活態度」があるが、この「合理的日常倫理」への道を世界史上最初に踏み出したのが、ほかならぬ古代ユ…

マックス・ウェーバー  『プロテスタンティズムの教派と資本主義の精神』

p94 アメリカの世間のクラブでは投票によって欠員が補充されるが、それはひどく排他的であった昔のピューリタン教団加入の意義が世俗化した果てに生まれたものである。 いま最も民主的とされるニューイングランドでも、独立戦争前までは、教団内の完全な市…