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ラマチャンドラン

ラマチャンドラン  『脳のなかの幽霊、ふたたび』(角川文庫)

神経内科の症候群は「大量のサンプル分析」では発見できない p9 神経内科の分野では、ある症候群を持つ一、二名の患者を徹底的に調べる「一例研究」というアプローチ法と、多数の患者の症例を統計的に分析するアプローチ法の間に緊張関係があります。 私は…

V.S.ラマチャンドラン 「脳の中の幽霊」(角川文庫)4/4

てんかん・天才・至高体験 p278 側頭葉、とくに左の側頭葉は宗教的な体験となんらかの関わりがあるのではないかと疑われている。医学生なら誰でも知っているが、この部位に原発するてんかん発作の患者は、発作のときに強い霊的体験をする場合があり、発作の…

V.S.ラマチャンドラン 「脳の中の幽霊」(角川文庫)3/4

鏡のむこう p205−6 鏡に映るペンを取ろうとして鏡面に手をぶつけてしまう鏡失認の患者たちは、鏡と向き合っただけで現実と幻想との境界領域に押しやられてしまう。鏡像が右側にあるのだから物体は左側にあるはずだという、きわめて単純な論理的推測ができな…

V.S.ラマチャンドラン 「脳の中の幽霊」(角川文庫)2/4

盲視 p127-32 眼球から入ったメッセージは視神経を通り、すぐ二つの経路に分かれる。この二つのシステムにははっきりした役割分担があるらしい。 一つは系統発生的に古い「定位」の経路で、もう一つはそれよりも新しく、一次視覚皮質と呼ばれる。この一次視…

V.S.ラマチャンドラン 「脳の中の幽霊」(角川文庫)1/4

ラマチャンドランの名前はときどき聞いていたが、この本に養老孟司が解説を書いているとあったので、読んでみた。オリヴァー・サックスが序文を書いていた。 V.S.ラマチャンドランはカリフォルニア大学サンディエゴ校・脳認知センターの教授である。幻肢の研…