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丸谷才一

丸谷才一 『輝く日の宮』(講談社)

『源氏物語』の前半にある『薄雲』の巻で、前の中宮・藤壺は37歳の美しい盛りにあって死の床に就いている。そしてしだいに途切れがちになる意識の中で、かつてあのように自分を慕ってくれた源氏への思いがよみがえる。「あの若い日に、局の御簾や几帳に紛れ…

丸谷才一 『持ち重りする薔薇の花』(新潮社)

去年亡くなった大家・丸谷才一が書く弦楽四重奏論(?)。クヮルテットを維持する人事面の微妙さ、四人の仲はいつも微妙にぎくしゃくしているのに、演奏となると実にいいアンサンブルをじっくり聴かせることができる、・・・などという話が、丸谷の学識と教…