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加藤典洋

加藤典洋 『人類が永遠に続くのではないとしたら』(新潮社)2/2

p102 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の被害額は20兆円だったといわれている。チェルノブイリは一基の原子炉の事故だが、福島第一は四基の事故であり、人的被害を除いた場合これ以上の損害が生じていることは確実である。 単純に、福島第一は四基だか…

加藤典洋 『人類が永遠に続くのではないとしたら』(新潮社)1/2

國分功一郎『暇と退屈の倫理学』、東浩紀『動物化するポストモダン』以来、ひさしぶりに中身の濃い思想書を読んだ。毎日新聞は「3.11を踏まえた日本社会論の大力作が出たものだ」という書評を載せた。「人類が永遠に続くのではないとしたら」というタイ…

加藤典洋 「日本の無思想」(平凡社新書)2/2

p63−75 太平洋戦争の無条件降伏の際、いちばん問題になったのは、ポツダム宣言受諾が国体の護持につながるかどうかということでした。「国体護持」の大本は天皇主権の保持でしたから、天皇主権が否定された以上、結果として国体は護持されませんでした。し…

加藤典洋 「日本の無思想」(平凡社新書)1/2

タテマエとホンネという言葉が、ここ半世紀のとても新しいものであることはこの本で初めて知った。(対概念をあらわすものとしては久野収『日本の超国家主義』1956年に初出らしい。)だから戦前には、大臣が「微妙な問題に触れてついホンネをもらして」前言…