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加藤周一

加藤周一 『日本人の死生観』(岩波新書)2/2

三島由紀夫――仮面の戦後派 下巻 p176-8 私(加藤)は太平洋戦争直後、戦後世代の作家たちが同席している場所で、何回か三島にあったことがある。当時の印象では、三島は非常に小さく、やせぎすで、眼が大きく、態度は神経質でぎこちないところがある一方、…

加藤周一 『日本人の死生観』(岩波新書)1/2

近代日本知識人の「自分の死」に関する考え方を、乃木希典、森鴎外、中江兆民、河上肇、正宗白鳥、三島由紀夫の6人を選んで、ケーススタディとして述べた本。そのうち特に興味深かった乃木希典と三島由紀夫について――二人はともに割腹自殺した――いくつかのパ…

加藤周一 「続 羊の歌」

p47 もしすべての考えを外国語で表現するほかないとすれば、そのことはわたしの考えの内容にも影響を与えずにはいないだろう。(ちょうどグーグルのリンク環境で住み慣れるとその機械に似てくるように。世界中の図書文献を恐ろしいスピードで駆け抜けた論文…

加藤周一 「羊の歌」

p118 東大・駒場の寮歌に「栄華の巷低く見て」という有名な一節がある。1930年代末の東京の街は決して栄華の巷ではなかったが、歌の文句の要点は栄華そのものにあったのではなく、そもそも街とそこに住む人々を低く見ることにあった。 駒場の寮では平等な学…