アクセス数:アクセスカウンター

大岡昇平

大岡昇平 『花影』

どうと言うことのない花街小説だが、解説で本作がモデル小説であることが暴露される。小林秀雄、中原中也、坂口安吾、青山二郎、白洲正子などの面々が作中人物の誰それと具体的に示されていて驚く。

大岡昇平 『武蔵野夫人』(新潮文庫)

『武蔵野夫人』は1949年に『俘虜記』を出した翌年の作品。大岡昇平はフィリピンのミンドロ島で昭和21年1月に米軍の捕虜になった。そのあと捕虜収容所でひどい扱いを受けると思っていた大岡は、「国家間の戦争としては日本は敵であるが、米国は日本人…

大岡昇平 『俘虜記』(新潮文庫)2/2

原爆投下の是非に関してブログ筆者はこう考える。1945年7月26日、連合国はポツダム宣言を発し、日本の無条件降伏を求めてきた。昭和天皇がどう扱われるか、つまり国体は護持されるのか、それだけを天皇と軍首脳は悩みぬいた。何度となく開かれた御前…

大岡昇平 『俘虜記』(新潮文庫)1/2

軍需工場サラリーマンにしてスタンダール研究者だった大岡昇平一等兵は昭和20年1月、36歳のときにフィリピン・ミンドロ島で米軍捕虜になった。ミンドロ島は日本軍による捕虜虐待事件「バターン死の行進」で有名なルソン島バターン地方にある。 極度の疲…