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日高敏隆

日高敏隆 『僕の生物学講義』(昭和堂)

社会とは何か p114-7 大学生の頃に、ぼくの先生が『現代人間学』という本をみすず書房から出すことになった。その中で社会のことについて書くので、ぼくに「動物の社会・人間の社会ということで一章を書いてくれ」って言われたんです。 でもそもそも「社会…

日高敏隆 『動物という文化』(講談社学術文庫)

クラゲやサンゴ、イソギンチャクといった腔腸動物よりも少し進化が進んだ扁形動物(ゴカイ、サナダムシなど)以上の動物では、発生の途上で中胚葉という組織が生じる。腔腸動物までは皮膚などになる外胚葉と消化器・呼吸器などになる内胚葉の二つだけである…

日高敏隆 『ホモ・サピエンスは反逆する』(朝日文庫)

著名な生物学者日高氏は養老氏とは少し違った意味で話がよく飛ぶ人である。最終ページに近いところに、生物進化のとても面白い話があった。 p253-4 たとえばガマガエルは1万ぐらい卵を産む。親と卵は遺伝的に全部閉じた輪になっているから、卵がかえれば全…

日高敏隆 『生き物の世界への疑問』(朝日文庫)

最終章に近いところで、これまでさんざん侮られてきたラマルクの獲得形質遺伝説と、今や完全に進化論の定説になった突然変異・自然淘汰説は、実は言われているほど違わないのではないかという興味深い考え方が示されている。 p315-6 生物の持つ遺伝的な性質…

日高敏隆 『動物と人間の世界認識』(ちくま学芸文庫)2/2

p140−4 もちろん人間にも知覚的な「枠」がいろいろある。たとえば超音波は人間の耳には聞こえない。人間は超音波がどのようなものかを感じることができない。 人間は、超音波というものがあることは、いろいろな方法で証明することができる。機械によって振…

日高敏隆 『動物と人間の世界認識』(ちくま学芸文庫)1/2

地球上のすべての生物に共通な「客観的」環境など存在しない。――このことをこれほどわかりやすく簡潔に書いた本はないのではなかろうか。著者・日高敏隆氏はコンラート・ローレンツらの動物行動学を日本に根付かせた研究者であり、多くの外国語に堪能であっ…