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河野多恵子

河野多恵子 『逆事(さかごと)』(新潮社)

統語法をわざと無視するような、「段落として意味が読み取れればそれでいいのよ」と言っているような文章を書く人である。谷崎の衣鉢を継いだ大家であるし、これを書いたとき八十五歳を過ぎていたのだから、だいいち今年亡くなった人なのだから、細かいこと…