アクセス数:アクセスカウンター

朝吹真理子

朝吹真理子 「きことわ」(新潮社)

密度の濃い言葉の連なり。接続詞ひとつをおろそかにしない短文の連なり。わずか百三十頁のみじかい作品なのに、話のつながりはよく分からない。そんなプロットなどは何ごとでもないように、ひとつひとつの言葉が緊密に編まれていく。発生直後の胚細胞が、上…

朝吹真理子 「流跡」(新潮社)

若い(美しいかどうかは知らない)女性の文章であることは明らかなのだが、そうした俗事を少しも感じさせない、透きとおった清清しい才能である。原稿のパソコン画面を見るのとはもうひとつの目でいつも男性を意識している、生っぽい意地やうらみごとなどが…