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村上春樹

村上春樹 「羊をめぐる冒険」 (講談社文庫)1/2

『羊をめぐる冒険』は、村上春樹が今日的な「世界作家」としての評価を獲得する足がかりを得た記念碑的作品らしい。この小説以降、村上作品は海外でも大部数が売れ始めるのだが、村上春樹はいまも、『羊・・・』以前の作品には翻訳許可を与えていない。それ…

村上春樹 「ねじまき鳥クロニクル」(新潮文庫)2/2

この小説は神話なのだから、ほぼニート状態の「僕」は「運命」に抵抗して「世界」の気に入らないことをいろいろやってしまう。そんなことができる。たとえば枯れ井戸の底にもぐってあれこれ考え事をしたりする。と、考え事をするだけで、「運命」は警告のた…

村上春樹 「ねじまき鳥クロニクル」(新潮文庫)1/2

村上春樹は何冊かしか読んでいない。この『ねじまき鳥クロニクル』はとても面白い話だがなにせ長いし、どこに引っ張っていってくれるのかなと、半分過ぎても予想がつかなかった。ところが三巻本の三冊目に「牛河」という、一度見たら忘れることのない風貌の…

村上春樹 「1Q84」 2

推理小説として読めば、若いころ株式運用に天才を見せる一方で、男遍歴を重ねた柳屋敷の老婦人が物語全体の黒幕だ。教団「さきがけ」を主宰する深田(彼はオウムの林泰男を想わせる)は老婦人の「長い間うまくいっていない」長男だろうし、深田は母親の若い…

村上春樹 「1Q84」 1

数百万部も売れただけに、とてもおもしろかった。難解な文章は一箇所もなく、リピーター読者を悩ませたりしない。熱心な小説読者ではないのでよく分からないが、「大きな物語」とか「ロマン」を作らせたら圧倒的第一人者ではないか。 バカな新聞書評にあった…