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2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

司馬遼太郎 『アメリカ素描』 新潮文庫

巨大文明アメリカの中での様々な文化的側面‥‥WASP、犯罪の日常性、排日問題、ゲイ、多民族、清教徒感覚、弁護士社会、ウォール街・資本の論理‥‥が、あまり重苦しくなく語られる。 巻の終章に近いところで触れられる「アメリカ的善意」がフレッシュだった。ア…

司馬遼太郎 『風塵抄』 中公文庫

1986年から89年まで毎月1回、第一月曜に産経新聞に連載した短いエッセイ集。一回ごとの文章は短くても、連載が長期にわたるので、全部をまとめて一冊にして読むと、司馬の全身像がよく見えてくる。 数例をあげる。 ダーウィンは自然淘汰論を言ったが、京都…

池澤夏樹 双頭の船 新潮文庫

11年3月11日の震災後。被災地で実際あったかどうかはわからない出来事を描いた半ユートピア?小説。 地震の後、ある港に数百トンのフェリーがほぼ無傷で残った。そのなかに数十戸の、陸地に作ったミニ仮設より少しはましな仮設住宅が作られ、人々が震災…

内田樹・白井聡 『日本戦後史論』 朝日文庫

内田樹 ある国の中にあるカウンターカルチャーって、その国と政治的に対立している国からすると、唯一の「取り付く島」なんですよ。だから、外交的に言うと、どんな国にも反権力的な言説とか芸術があった方がいいんです。ですからアメリカの場合、あれだけで…

ドナルド・キーン 『日本の文学』(吉田健一訳) 中公文庫

第四章 日本の小説 源氏物語(p102-7) 一九二五年にウェーリの訳による源氏物語の第一巻が出たとき、欧米の批評家たちはその規模が雄大なのと、そこに窺われるそれまで想像もしなかった世界に圧倒された。そして彼らにもっとなじみがある文学で、これと比較…

池澤夏樹 きみのためのバラ 新潮文庫

三十ページほどの短編が八篇収められている。三篇目の『連夜』が面白かった。総合病院の内科医ノリコ先生と、院内各部署に医薬品などを届けるアルバイトの斎藤くんだけが登場人物。 もともと二人は何の関係もない人間だった。ある日その斎藤くんがノリコ先生…