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2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

高島俊男 『中国の大盗賊』 講談社現代新書

中国の歴代王朝の創始者は、例外なく、自分の出身地を荒らしまわった「盗賊」・「流賊」が大きくなったものだという考え方で、一冊を通している。これは世界的定説でもあるのだが。 この本では、元祖盗賊皇帝である漢の劉邦から稿を起こし、乞食坊主上がりの…

船曳建夫 『「日本人論」再考』 講談社学術文庫

福沢諭吉『脱亜論』からはじまり、内村鑑三『代表的日本人』、新渡戸稲造『武士道』、九鬼周造『いきの構造』、和辻哲郎『風土』、小林秀雄・林房雄らの座談会『近代の超克』などへと行き、そのあとも司馬遼太郎『坂の上の雲』、中根千枝『タテ社会の人間関…

白川密成 「不要不急」のマンダラ 新潮新書

本書中で目を留めた二つ目。p180-182 コロナとの付き合いは長期戦になりそうだ。仮にコロナが終息したとしても、他のウィルスがまた発生する可能性があるだろうし、巨大地震や原発事故でもない「何か」が、また忽然と私たちの目の前に現れるだろう。だから今…

阿 純章 要に急がず、不要に立ち止まる 新潮新書

コロナ禍の日本社会を象徴する言葉になった「不要不急」。この語をめぐって十人の仏教者が考えを述べ合った小論文集。中に一つ天台宗の阿純章(おか じゅんしょう)という僧侶が書いたものが目に留まった。 P101-2 <いまの社会では、私たちは自分と他者の…