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アガサ・クリスティ

アガサ・クリスティ 『ゼロ時間へ』(ハヤカワ文庫)

重い、軽い、いろいろな地位、境遇の多彩な登場人物、場面展開の適度な速さ、読者に名人芸の嫌味を感じさせない謎解きの論理・・・・・・、一定の水準を維持しながら何十年にもわたって100冊を超えるサスペンスをよくも書けたものだ、といつも思う。しか…

アガサ・クリスティ 『終りなき夜に生れつく』(ハヤカワ文庫)

善良に見えた主人公Aがじつは子供のころから犯罪性精神障害を示していた男だったという話。そういう人をアガサ・クリスティは「終りなき夜に生まれついた人」と名づけた。 Aは物欲が異常にはげしく、昔、学校仲間の少年がしているいい腕時計が欲しくてたまら…

アガサ・クリスティ 『春にして君を離れ』(ハヤカワ文庫)

鈍感で自己満足が強いとされ、揶揄と冷笑のネタになりやすいイギリス中流婦人。その、滑稽だが笑ってばかりいられない認識のあり方をめぐる切ない話だ。 ディケンズ『大いなる遺産』には、自分の生家と嫁ぎ先の系図を特別に装丁した本を持ち、毎日それを庭の…