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2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

村上春樹 『約束された場所で』(文芸春秋)

1995年の地下鉄サリン事件の1年半後、村上春樹はごく普通の市民生活をしている62人の被害者に自ら直接取材した『アンダーグラウンド』という長大なインタビュー本を出している。相手の心情に極めて丁寧に配慮しながら、どんな状況で突然被害にあい、それがど…

村上春樹 『神の子どもたちはみな踊る』(新潮文庫)

p116 僕たちの寿命と神のいやがらせ 更年期という問題は、いたずらに寿命をのばしすぎた人類への、神からの皮肉な警告(あるいはいやがらせ)に違いないと、さつきはあらためて思った。 つい百年ちょっと前まで人間の平均寿命は五十歳にも達していなかった…

村上春樹 『東京奇譚集』(新潮文庫)

p16-7 人間以外の物事に、人への憎しみはない 僕はオカルト的な事象には関心をほとんど持たない人間である。占いに心を惹かれたこともない。わざわざ占い師に手相を見てもらいに行くくらいなら、自分の頭をしぼって何とか問題を解決しようと思う。決して立…

村上春樹 『職業としての小説家』(新潮文庫)3/3

海外へ積極的に出ていく p314-7 僕の本は、米国とアジア以外の国で、まず火がついたのはロシアと東欧でした。それが徐々に西進し、西欧に移っていきました。1990年代半ばのことです。実に驚くべきことですが、ロシアのベストセラー・リスト10位の半分くら…