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2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

福岡伸一 『せいめいのはなし』(新潮社)1/2

福岡伸一と、内田 樹、川上弘美、朝吹真理子、養老孟司との対談集。相手はいずれも生命を単純な機械論や還元主義では捉えない人たちである。 生命はタンパクという部品の要素と機能が一対一で対応しているのではなく、それらの関係性や統合システムの中でし…

西加奈子 『サラバ!・上下』(小学館)

西加奈子は初めて読んだ。ウィキペディアには、『ぴあ』のライターを経て作家となり、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞を受賞したとある。この『サラバ!』でも主人公は長らくフリーペーパーのライターをして生活費を稼いでいる。西加奈子自身、チ…

ディケンズ 『大いなる遺産』上下(新潮文庫)

知らぬ人ないイギリスの文豪ディケンズの代表作だということと、養老孟司さんのおススメ本リストにもあったということで読んでみた。 『大いなる遺産』の大きなプロットはいたってシンプルなものである。貧しい村の鍛冶屋の少年ピップがひょんなことから莫大…

ミシェル・ウェルベック 『素粒子』(ちくま文庫)2/2

『素粒子』の二人の主人公ブリュノとミシェルは男たらしの母親から生まれた異父兄弟だが、自分たちの子供はおよそつくりそうにない人間である。ブリュノなどは後半で昔の女が子供を産みたいと言い出すが、その彼女は妊娠してすぐに子宮がんが発見されあっけ…

ミシェル・ウェルベック 『素粒子』(ちくま文庫)1/2

「素粒子」というのは小説のタイトルとして変わっているな、と思った。ブックカバーに印刷された150文字ほどの宣伝文にも主人公の一人は分子生物学者で云々、と書かれているだけだったし、素粒子と分子生物学がどこに交叉する部分を持つのか不思議だった…

池田清彦 『構造主義科学論の冒険』(講談社学術文庫)2/2

普通の人にとって、宗教は馬鹿げていても、科学は真理なのですね p236−7 私たちはだれでも、個別科学のすべての理論に精通することはできません。したがってそれらの理論の当否を自分で判定することはできません。ほとんどの人が自分で当否を判定できない理…