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2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

トーマス・クーン 『科学革命の構造』(みすず書房)

パラダイムー変わりゆく時代の空気の下にある大きな方程式ーとはどういったものなのか。それを科学分野に限って、たとえばプトレマイオスの宇宙観がコペルニクスの宇宙観に変るという「革命」が起きたとき、その時代の学者の意識の中ではどんなことが起きて…

巴 金 『寒い夜』(岩波文庫)

舞台は日中戦争最後半、蒋介石の国民党下の重慶。半官半民の出版・印刷会社で校正係として働いている主人公・宣。並みの高等教育は受けたのだが、口数が少なく優柔不断で自分を主張できない性格のためにうだつがあがらない。父親が早く死に、しだいに不如意…

フォークナー 『八月の光』(新潮文庫)

南北戦争前後のアラバマ、ミシシッピといった南部諸州。下層の白人は、人口の上でもどんどん増えてくるたくましい黒人を、貧しくなるいっぽうの親の仇であり、エイリアンであると思っていたかもしれない。そんな、荒っぽく粗野なアメリカの原風景が、熱い八…

田中 修 『植物はすごい』(中公新書)

身近な多くの植物について、酷暑地や厳寒地でも成長できる秘密、さまざまな毒を持って身を守っていること、病気になるのを防ぐ体内機構など、中学高校生などの生物好きが読んだら熱中するに違いない内容が、易しすぎるほどの文章で丁寧に綴られている。 p13…