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2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

結城昌治 『軍旗はためく下に』 中公文庫

1940年、米軍の圧倒的な戦力の前でボロボロ、ちぎれちぎれになっていたフィリピン戦線での日本軍旗。しかしその旗の下で、東条英機が作った「戦陣訓」だけは当初の苛烈さを失っていなかった。いやますます、上層部の作戦の愚劣と暴行の数々には甘く、末端兵…

宇野千代 『或る一人の女の話 刺す』 講談社文芸文庫

「或る一人の女の話は」は主人公・一枝の男性遍歴の話。「世の中の人は私の男性遍歴、男性遍歴というが、それは大間違いである。男性遍歴どころか、私は男性に捨てられて捨てられて、失恋し通しで生きてきたのである」と彼女は「解説」で言っている。「私は…

司馬遼太郎他 古代日本と朝鮮

日本の中の朝鮮文化 黒潮と日本文化 岡本太郎 例えば伊勢神宮は、そもそも日本の皇室だけのものではないのではないか。沖縄のシャーマニズムと同じものなのじゃないのか。このあいだ式年遷宮をやったけれども、古い本殿の下には大きめの石ころだけがあった。…

司馬遼太郎 韓のくに紀行 朝日文庫

誰もが高校の日本史で習ったように、朝鮮半島には「百済」という国が紀元前後からあって、大化の改新の頃に亡んだ。その百済の南の方に任那という半独立国家みたいな地域があり、主に北九州地方と盛んに人的・物的交流をしていた。日本にも百済・任那からの…