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2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

池澤夏樹編集 『日本語のために』(河出書房新社)4/4

p432-5 永川玲二 『意味とひびき』 幕末から明治にかけて日本の知識階級はまことに多彩な、ぜいたくな言語生活をしていた。彼らは何種類もの文体を、場合により必要に応じてみごとに使い分ける。手紙ひとつ書くにも、たとえば女が相手なら 「一ふでまゐらせ…

池澤夏樹編集 『日本語のために』(河出書房新社)3/4

福田恒存 『私の国語教室』 第二次大戦敗戦直後に文部省は「国語改革」を行った。かなづかいを話し言葉の発音に合わせることと、漢字の使用制限および略字化の二つを柱とする大幅な表記法の「上からの改革」だった。わたしたちは今すっかりその「指導方針」…

池澤夏樹編集 『日本語のために』(河出書房新社)2/4

p255-7 小松英雄 『いろはうた』 いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす 日本人なら知らぬ人はまずないと思われる「いろはうた」は、これが作られた平安時代の日本語音韻全48文字のう…

池澤夏樹編集 『日本語のために』(河出書房新社)1/4

池澤夏樹の個人編集になる「日本文学全集」の最終巻。 古代から現代まで、アイヌ語から沖縄方言までさまざまなジャンルの作品の抜粋と、いろいろな角度からの日本語についての考察が収められている。日本文学全集の一冊としては非常に変った中身がつまった本…

松本清張 『火の路』(文春文庫)

奈良・飛鳥地方には有名な巨石遺跡がある。蘇我馬子の墓といわれる石舞台古墳や由来のはっきりしない酒船石遺跡、益田岩船などだ。酒船石遺跡、益田岩船は天智天皇、天武天皇の母親である斉明天皇(在位655〜661年)が築造を命じたとはされるが、土木技術が…

養老孟司・内田樹 『逆立ち日本論』(新潮選書)

いま大学入試の読解問題に採用される著作家のトップが養老孟司で、二位が内田樹だそうだ。二人とも、「大病して死ぬ間際になっても、病床に大嫌いなあるいは大好きな見舞い客が来ると、該博な知識と恐るべき偏見に満ち満ちた無駄話をいつまでも続けて、見舞…

岸田 秀 『歴史を精神分析する』(中公文庫)2/2

日本は百済の植民地だった可能性が高い。 「任那日本府」は、日本を管理するための中央政府の出先機関ではなかったか。 p167−9 いわゆる皇国史観は1945年の敗戦によって公式には廃棄された。しかし今の私たちも、日本の歴史を考える場合、日本列島には…