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2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

マックス・ウェーバー 「世界宗教の経済倫理 序説」

p121 幸福な者は、自分が幸福であることを正当化する理由が必要である。かれは、幸福であるに値すること、特に他の人々に比べて値するものである、という確証を求めようとする。またかれは、自分より幸福であってほしくない者が自分と同じ幸福を持っていな…

マックス・ウェーバー 「宗教的現世拒否の段階と方向の理論」

p159 合理的なるもの――知的・理論的ないし実際的・倫理的態度決定に際して、論理的または目的論的な「一貫性」を持っているもの。推論の道筋が「一貫性」を持っていることだけが問われるのであって、推論の前提にアプリオリなことがらが措定されているかど…

マックス・ウェーバー 「宗教社会学論文集 序言」

p73 営利衝動や利潤追求の努力は、給仕、医者から賭博者、売春婦までいたるところにあるし、資本主義とは全く関係がない。掠奪利潤に近い、放縦極まりない営利欲はいかなる意味においても資本主義とは同じものではないし、いわんやその「精神」では全くない…

TVから 「ファーブル昆虫記」

ファーブル『昆虫記』に、獲物を仮死状態に置いたまま長時間巣穴に保存し、その上に卵を産んで、孵化した幼虫にその仮死状態の(つまり肉が新鮮なままの)獲物を食べさせる「狩りバチ」のことが載っているらしい。親バチは狩りのとき、獲物の運動神経が一箇…

井筒俊彦 「哲学の崩落と崩落の崩落」

p185 「創造」が深刻なアポリアをはらむということ。 「創造」とはある特定の時の一点において世界が存在し始める、それまで「無」であった世界が「有」に転換するということである。「創造」をよそにしては、ユダヤ、アラブのセム一神教は宗教的にも哲学的…

谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」

p35 もし日本座敷をひとつの墨絵にたとえるなら、床の間はもっとも濃い部分である。・・・そこにはこれという特別なしつらえがあるのではない。要するにただ清楚な木材と清楚な壁を以てひとつの凹んだ空間を仕切り、そこへ引き入れられた光線が凹みの此処彼…

TVから 「ポピュリズム」

今のフラット社会が始まったのは昭和五十年だという(NHK『昭和日めくりタイムトラベル』)。私の長男の生まれた年だ。天野祐吉氏によれば、その年TV広告費が新聞広告費を初めて上回った。政治という、ともかくもシステムとしての方向性を持つものへの関心…

ミラン・クンデラ 「存在の耐えがたい軽さ」

p314 なにより軽く、真実なもの=存在の条件としての裏切り なにより重く、貴重なもの=共感 なにより俗悪(キッチュ)なもの=存在との絶対的同意=すべての人びととの兄弟愛=差異を覆いかくす全体主義の天幕 タイトルがいい。ロシアの鉄拳と現代の全体主…

丸山真男 「超国家主義の論理と心理」

p13 ヨーロッパ近代国家は「中性国家」たることにひとつの特色がある。中性国家は真理とか道徳に関して中立的立場をとり、そうした価値判断はもっぱら他の社会的集団(たとえば教会)や個人の良心にゆだねる。国家主権の基礎をかかる価値内容とは無縁な「形…

岩井克人 「憲法九条および皇室典範改正私案」

●憲法九条については、 日本国民は 一、自らの防衛 二、国連の指揮下にある平和維持活動、三、内外の災害救助、 の三つの目的にその活動を限定した軍隊を保持することを世界に明言する。 ●皇室典範については、一、皇族は男女ともに皇位継承の資格を持つ、 …