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ロバート・ゴダード

ロバート・ゴダード 『千尋の闇』(創元社推理文庫)

2週間前の本ブログでぼくは本作はすでに紹介済みだとしていた。ところがこれは勘違いだった。 本作はイギリス中上流階級の3世代にわたる陰謀と裏切りの複雑きわまりないミステリー。20世紀初頭に南アフリカで起きた重婚詐欺が数年のちの内務大臣(A)の更迭…

ロバート・ゴダード 『蒼穹のかなたへ』 文春文庫

これまで僕が読んだロバート・ゴダードは、デュ・モーリア『レベッカ』をさらに不気味にしたような超傑作『リオノーラの肖像』、著名な経済名士家系を翻弄する詐欺師の天才ぶりに読者が唖然としてしまう『欺きの家』、実名で動き回るロイド・ジョージやチャ…

ロバート・ゴダード 『欺きの家』(講談社文庫)

1954年生まれのベストセラー作家ロバート・ゴダードの23作目ということ。この年齢ではじめて知った『リオノーラの肖像』はあのデュ・モーリア『レベッカ』の謎をもうひとすじ深くしたようなゴシック・ロマンだった。 本作『欺きの家』はこれと違ってイギリス…

ロバート・ゴダード 『リオノーラの肖像』(文春文庫)

「ゴシック・ロマンの本場のミステリー小説とはこういうものである」と、作者が誇らしげに胸を張っているかのよう。訳者の言葉をかりれば、「過去形でなく現在形でやり取りされる会話のやり取りに、何か得体のしれない大きな秘密が隠されているといった不気…