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2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

★プルースト 『失われた時を求めて 10 囚われの女』(岩波文庫)10/13

バルベックの保養地で見初め、「私」がやっとの思いで手に入れた美しい少女アルベルチーヌ。本巻は、そのアルベルチーヌがバルベックで一瞬そぶりを見せたようにやはりレズビアンなのではないか、あるいは男も悪くないと思ってパリのどこかで会っているので…

★プルースト 『失われた時を求めて 9 ソドムとゴモラⅡ』(岩波文庫)9/13

前の巻に続いて主要登場人物のソドム(男性同性愛)とゴモラ(女性同性愛)が語られる。いま小説で同性愛を書いても何も新鮮味はないが、プルーストの時代では社会の「良識派」が指弾の標的にするスキャンダルであり、貴族であれば表向きの社交界から招待状…

★プルースト 『失われた時を求めて 8 ソドムとゴモラ Ⅰ』(岩波文庫)8/13

長大な『失われた時を求めて』の半分をようやく越えた。読むのはたいへんだが、トルストイ『戦争と平和』と違って読者に対する説教臭さがみじんもないのがありがたい。 『ソドムとゴモラ』はその名の通りソドム(男性同性愛)とゴモラ(女性同性愛)が中心テ…

★プルースト 『失われた時を求めて 7 ゲルマントのほうⅢ』(岩波文庫)7/13

この第7巻は、主人公「私」をめぐる人間関係が前の第6巻とはかなり変わってしまったところから始まる。「私」をあれほどかわいがってくれた祖母が亡くなって数か月がたっており、「私」は祖母を思い出して気がふさぐこともほとんどなくなっている。第1・第2…

★プルースト 『失われた時を求めて 6 ゲルマントのほうⅡ』(岩波文庫)6/13

この巻は全14巻の中で本文380ページほどと特別に「薄く」、外見だけはとっつきやすそうだ。だがそのうち前半の300ページほどは、わずか2、3時間のお茶会で繰り広げられる、「私」をふくめた上流貴族社会のばかばかしい戯画で塗りたくられている。訳…