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長谷川 宏

長谷川 宏 『丸山眞男をどう読むか』 講談社現代新書

非常に読みにくい。文章途中や段落が変わるときの接続語を足したり引いたりしながら何とか七割ほどは読めたが、政治思想史に詳しくない読書家が読んだら、激しい反感を買ったのではないか。 私が気に入っている福沢諭吉に関連した章があったので、そこだけ書…

長谷川 宏 『日本精神史・上』(講談社)4/4

第十七章 法然と親鸞 万人救済の論理 法然によってはじめて、 日本仏教は「普通の人々とともに生きる普遍宗教」になることができた。 (以下は法然についての記述のおもな部分を抜き出したもの) 法然の生きた平安末から鎌倉初期の時代は、鴨長明の『方丈記…

長谷川 宏 『日本精神史・上』(講談社)3/4

第十三章 『枕草子』と『源氏物語』 平安朝文学の表現意識 紫式部にとっては、貴公子の政治的行動も、異常な恋愛も、出家者の浄土希求も、 明るくもあり暗くもある、自分の生きる「この世のなかでの出来事」である。(以下は『源氏物語』についての記述のお…

長谷川 宏 『日本精神史・上』(講談社)2/4

第十二章 浄土思想の形成 平安中期になって インド・中国由来の浄土思想は日本太古の汎神思想と溶け合った 京都府の南部、木津川市にある浄瑠璃寺は、宇治川のほとりにある平等院鳳凰堂が往時の都会風の華やかな美しさをたたえて「里の極楽」と呼ばれるのに…

長谷川 宏 『日本精神史・上』(講談社)1/4

毎日新聞の書評欄にあったなんとも大上段に振りかぶった書名が気になった。毎日のこの書評には、上古・上代から江戸時代まで多くの文献が引用されているがすべて分かりやすい現代語訳になっているとあり、そこに惹かれた。著者・長谷川宏氏は東大哲学科を出…