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2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

R・リーキー 『ヒトはどうして人間になったか』(岩波現代選書)2/2

第7章 最初の豊かな社会 200万年くらい前の初期人類は、日常口にする食糧としては植物、卵、はちみつ、シロアリ、アリ、穴住性小動物など、今のチンパンジーとよく似たメニューを持っていた。チンパンジーと違うのは、初期人類は毎日の組織的食糧調達の最中…

R・リーキー 『ヒトはどうして人間になったか』(岩波現代選書)1/2

著者リチャード・リーキーは1972年に東アフリカ・トゥルカナ湖畔でホモ・ハビリス(ハビリスとは「器用な人」の意味)の化石を発見したルイス・リーキーとメアリー・リーキー夫妻の二男。人類最古の時代についての両親のいくつかの大発見をもとに、そこに自…

養老孟司・茂木健一郎 『スルメをみてイカがわかるか!』(角川新書21)

例えば絆(きずな)という言葉がある。広辞苑の少し古い(第4)版には、第一義として<動物を繋ぎとめる綱>とあり、第二義として<離れがたい情実、ほだし、係累>とある。しかし21世紀に入って以降は第一義の意味で使うことはほとんどなくなり、とくに…

杉浦明平 『小説渡辺崋山』(朝日新聞社)

私たちが「渡辺崋山」に対して持っている高校生の受験日本史的な知識はどのあたりが平均点だろうか。江戸後期の武士であり有名な画家だったが、晩年は高野長英らとともにヨーロッパ列強との融和・通商の必要を説いた。しかしその開明性が幕府保守派の怒りに…