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2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

養老孟司 『からだの見方』(ちくま文庫)

医学における「知」 p106−7 痴呆症が問題になっているのは、世の中が面倒になって、ボケると他人の迷惑になるからである。特に、対人関係がどうしようもなくなる。家族や近しい人たちは健康なときの印象があるから、病人を病人として扱えないことが多い。人…

増田直紀・今野紀雄 『複雑ネットワークとは何か』(講談社)

日本人は、知り合いを3人介在させると、みんなつながってしまう。 1994年にアメリカの大学生3人が、ハリウッド映画俳優はそれぞれの共演俳優の鎖を通してどれくらいの距離で互いが結ばれているかをTV番組で明らかにして話題になった。このTV番組に…

内田 樹『街場の読書論』(太田出版)2/2

p198-201 トクヴィル『アメリカの民主主義』 ポピュリズムについて述べる中でトクヴィルは、二度も大統領に選ばれたアンドリュー・ジャクソンを、ワシントンで彼に会見したあと、痛烈に評している。 「ジャクソン将軍は、アメリカの人々が統領としていただく…

内田 樹『街場の読書論』(太田出版)1/2

p31 難波江和英『恋するJポップ』 ライトなタイトルとは裏腹に、奥行きの深い論考である。とくに「Jポップの歌詞には自と対峙し続ける他者が存在しない」という指摘は鋭い。 Jポップでは、コミュニケーションも自由も未来も、すべて「欠如の感覚」で歌われ…

砂田利一・長岡亮介・野家啓一 『数学者の哲学・哲学者の数学』(東京図書)2/2

哲学の「効用」 p96 野家 いつも新入生のオリエンテーションなんかで哲学の話をすると、必ず「哲学は何の役に立つんですか」という質問が来る。 砂田 それは、数学も同じことをよく言われます。 野家 私がいつも答えるのは、「役に立つ」とか「有用」とはど…