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2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

丸山真男 『現代における人間と政治』(岩波全集第9巻)

p33-7 1930-40年代のドイツ社会と第2次大戦後のアメリカ社会を比べれば、似ていたと言う人よりは違っていたと言う人のほうがはるかに多いだろう。しかし1952年、マッカーシーの赤狩りの嵐が吹き荒れ、社会全体のコンフォーミズム(体制同調の空気)に嫌気が…

丸山真男 『偽善のすすめ』(岩波全集第9巻)

p325-8 なぜ偽善をすすめるか。動物に偽善はない。神にも偽善はない。偽善こそ人間らしさの象徴ではないか。偽善にはどこか無理で不自然なところがあるが、しかしその無理がなければ、人間は坂道を下るように動物的「自然」に滑り落ちていたであろう。 日本…

アンドレ・ジイド 『ソヴェト旅行記』(新潮文庫)

この本は1936年11月に上梓された。ソ連はブルジョア国家の人民にとって希望の国なのか、それとも世界中を共産化しようとする悪の帝国なのか・・・・。敗戦後数年した僕らが子供の頃にも、それはまだ小さなアタマの一部で一応考えなければならない問題…

アンドレ・ジイド 『法王庁の抜け穴』(新潮文庫)

アンドレ・ジイドは、死後、著作がすべてローマ法王庁から禁書に指定された。『狭き門』では恋人の神への自己犠牲の心を、それは真に率直な人間精神ではありえないとし、キリスト教の偽善に抗議し続けた。1951年に没したが、20世紀全体にわたって日本でも…