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2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

内田 樹 「知に働けば蔵が建つ」(文春文庫)2/2

改憲論 p146 私・内田は憲法九条と自衛隊の併存という「ねじれ」を、「歴史上もっともうまく機能した政治的妥協」のひとつだと考えている。 その「ねじれ」がつづいた戦後六十年間、わが国の兵は一度も海外で人を殺傷することなく、領土が他国軍によって侵…

内田 樹 「知に働けば蔵が建つ」(文春文庫)1/2

ニートの世界は「意味のあること」に満たされていなければならない p31-2 「勉強も仕事も、なんか、やることの意味がよくわからない」と、ニーとは言う。問題は「意味」なのである。 「意味が分からないことはやらない」――これが私たちの時代の「合理的に思…

養老孟司 『超バカの壁』(新潮新書)

●自分探しの結果、「天職」が見つからなくなった 自分固有の魂があって、身体はその魂に「場所」を提供しているだけだというのは西洋的な考え方です。日本の哲学者の書いた本には、調べた限りでは見当たりません。 「自分に合った仕事」を、目にクマを作って…

 養老孟司 『バカの壁』(新潮新書)

10年前、発行と同時に大ベストセラーになり、今年で104刷を数える、誰でも知っている本だ。この本を書店で手に取った人たちは、『バカの壁』という変わった書名は毒舌家の養老先生だから、やれ「個性」だ、「健康」だ、「自然」だと吹いて回るマスメディアや…

多田富雄 『生命へのまなざし』(青土社)3/3 vs月尾嘉男(東京大学教授・工学)

スーパーシステム p245−8 月尾 多田先生は、生物とは環境の偶然的な変化に常に適切に対応していくように仕組まれた「スーパーシステム」であると常々おっしゃっておいでですよね。 多田 ええ、偶然性を積極的に取り入れて、それをてこにして動いているシス…

多田富雄 『生命へのまなざし』(青土社)2/3 vs岡田節人(京都大学教授・基礎生物学)

生物の再生・修復能力と免疫、癌遺伝子 p148-52 岡田 トカゲのしっぽを切ると、また生えてくる。人間とえらく違う下等動物だから、いやらしいことをすると、そう思われていますね(笑)。ところが、地球上の生物を見てください。哺乳類ぐらいですよ、手術を…

多田富雄 『生命へのまなざし』(青土社)1/3 vs中村雄二郎(明治大学名誉教授・哲学)

自己の成り立ち、免疫、場、物語といった魅力的なテーマを、立花隆、中村雄二郎、養老孟司、岡田節人、日沼頼夫、木崎さと子、月尾嘉男、河合隼雄、石坂公成といった医学、生理学から生命誌、哲学、歴史学、都市工学まで各分野の超一流の人とじっくりと話し…

河合隼雄 『影の現象学』(講談社学術文庫)2/2

河合隼雄に支えられている村上春樹? 村上春樹が河合隼雄を尊敬していたことは有名だ。日本人では河合隼雄だけが、登場人物が日常世界と非日常世界を行き来する「物語世界」の必然性を深く理解してくれたと、村上自身が何度も言っている。 本書後半に「影と…