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吉川浩満

吉川浩満 『理不尽な進化』(朝日出版社)3/3

偶発的事象であることを分かっていながら 「どうしてこうなった」と問うてしまう。 p369-71 社会学者の大澤真幸は、阪神淡路大震災で被災したある女性について語っている。彼女は震災の朝、とくに理由もなくふだんより10分程早く寝床を離れたのだが、それが…

吉川浩満 『理不尽な進化』(朝日出版社)2/3

進化論は、結果論である。 適者だから生き残ったのではなく、生き残ったから適者なのだ。 p83 生物の世界の生き残りゲームは、人間のスポーツ競技と違って、そもそも公正・公平な観点というものはない。地球の自然環境はべつに生物の都合や事情に合わせて動…

吉川浩満 『理不尽な進化』(朝日出版社)1/3

本書には「遺伝子と運のあいだ」というサブタイトルが付いている。遺伝子の変異というその生物種の「域内」だけでなく、運という「域外」からの「理不尽」な干渉を無視して生物進化は語れないという意味である。 150年前の自然淘汰説に現代遺伝学などが加わ…