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2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

白井聡 『永続敗戦論』(太田出版)3/3

p167-9 昭和天皇が吉田内閣を飛び越して、米軍の日本駐留継続を直接訴えかけた 1996年、豊下楢彦は著書『安保条約の成立――吉田外交と天皇外交』によって、それまで広く共有されてきた歴史認識を大きく更新した。共有されてきた歴史認識とは 「1951…

白井聡 『永続敗戦論』(太田出版)2/3

p130-3 TPP交渉における従属構造 1970年代から基本的には衰退し始めた米国経済は、市場経済の新自由主義化と金融バブル許容化によって延命を図ってきた。TPP戦略はその戦略のひとつである。多数の識者が指摘するように、保険・医療・金融・農業といった諸分…

白井聡 『永続敗戦論』(太田出版)1/3

衆愚政治のまんなかにいる安倍晋三とその一派への怒りを、気鋭の政治思想家・白井聡がマジになって書いた。2013年のベストセラーになった。 白井の「永続敗戦」とは、①事あるごとに「戦後民主主義」に対する不平を言い立て、戦前的価値観への共感を隠さ…

丸山真男 『「文明論の概略」を読む』中(岩波新書)2/2

第11講 徳育の過信と宗教的狂熱について p213-18 宗教的狂信の精神構造 ギゾー『ヨーロッパ文明史』とともに福沢の『文明論之概略』の思想的下敷きとなったバックル『イングランド文明史』のなかで、バックルはフランス、スペインでの宗教裁判、異端審問…

丸山真男 『「文明論の概略」を読む』中(岩波新書)1/2

第8講 歴史を動かすもの 中巻 p49-51 p58-9 福沢は言います。<古より英雄豪傑の士君子、時に遇ふ者、極めてまれなり。・・・・孔子も時に遇はずと云ひ、孟子もまたしかり。道真は筑紫に謫せられ、楠正成は湊川に死し、これらの例は枚挙にいとまあらず。>…