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2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ゾラ 『居酒屋』(新潮文庫)

牧師、売春婦、洗濯女、豚肉屋、門番、小間使い、労働者・・・・・、パリの最下層の男たち女たちがひどい貧困と汚濁の中で、他人の幸福を妬み、不幸を哄笑し、安すぎる賃金を呪い、くず肉のスープを水増しして食べ、強い火酒で喉をただれさせ、夫は隣の娘を…

スタンダール 『赤と黒』(新潮文庫)

ナポレオン没落の1814年から15年間ほど続いた、極端な保守反動期のパリが舞台。(第一部はジュリアン・ソレルがうわべだけのラテン語教養と、人を蹴落とす尊大さと、貴族社会への反抗心を磨いた、フランス南西部のブザンソン近郊が舞台。ここで生涯の恋人レ…

前野ウルド浩太郎 『バッタを倒しにアフリカへ』(光文社新書)

2017年5月に発行して以降、毎週増刷を続けているというベストセラー新書。経済誌・プレジデントの敏腕プロデューサーに「売れる本」をつくるための文章の書き方、章立ての工夫などをみっちり教えてもらったということで、読み手をどきどきさせる抜群の出来栄…

養老孟司 『遺言』(新潮新書)2/2

ヒトとハチは同じことをしていないか p126-7 共有空間が成立するのはヒトの場合だけではない。アリ、ハチ、シロアリのような社会性昆虫も機能的な共有空間をつくる。ただしそれは概念的な共有空間ではないはずである。一定のやり方で次々に部分をつくって行…

養老孟司 『遺言』(新潮新書)1/2

意味のないものにはどういう意味があるか p36-7 雑草とは何か。そんなものは植えた覚えがない草のことを、雑草という。植えなかった理由は、その人にとって意味がないからである。サラダにするわけでもないし、野菜炒めにするわけでもない。それなら引っこ…