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2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

岸田 秀 『歴史を精神分析する』(中公文庫)1/2

官僚病――自閉的共同体の病 p16−7、22、60 大東亜戦争における日本軍の惨敗の原因は、物量の差ではない。ましてや兵士たちの戦意や勇気の不足ではなかった。大東亜戦争における日本兵ほど身を犠牲にして戦った兵士がほかにいただろうか。物量の差のた…

岸田 秀 『続 ものぐさ精神分析』(中公文庫)2/2

カネの価値を信じていることは資本家も貧乏人も同じである p273-81 価値について わたし(岸田)は本書で書いているようなことを大学の講義でもしゃべっているのだが、学生たちからときどき、「そのような考え方をしていて空しくないのか」と質問されること…

岸田 秀 『続 ものぐさ精神分析』(中公文庫)1/2

これまで、文明評論の立場からの史的唯物論批判の多くは、「史的唯物論はマルクスがそれを書いた当時の社会状況に囚われた信仰告白である」 として、マルクスの自分の立ち位置に対する無自覚を批判していた。 心理学者からの史的唯物論批判がこれまでどのく…

井筒俊彦 『読むと書く』(慶応大学出版会)2/2

コトバの意味――たとえば日本語の「花」を取り巻く情緒の重なり合いについて p315−9 常識に属することだろうが、一つの単語には音的側面(シニフィアン)と意味内実的側面(シニフィエ)がある。言葉の意味とはなんであるかを考えるとき、ある単語のシニフィ…

井筒俊彦 『読むと書く』(慶応大学出版会)1/2

イスラム教における啓示と理性 p65−73 イスラム教のことが報道されるとき、宗教としての内容が発生当時とは歴史的に大変化していることに、TVや新聞は触れていません。たとえば同じ東洋の宗教でも、仏教などは大乗仏教と小乗仏教を混同して話す人はまずない…