アクセス数:アクセスカウンター

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ミシェル・ウェルベック 『プラットフォーム』(角川書店)

高級?ポルノ小説だ。えげつないセックス描写だけで読者を引っぱっているところがある。 半年前に読んだ『素粒子』はすばらしい作品だった。デカルト、パスカル、ヴァレリー、サルトルなどに短くも鋭く言及しながら圧倒的なストーリー構築力でヨーロッパ文明…

佐高 信・早野 透 『丸山真男と田中角栄』(集英社新書)

佐高信と早野透の対談本。丸山と田中に接点があったのか?と驚いて買ったが、そういうことではなかった。 早野透は元朝日新聞の記者。田中角栄という桁を外れた男に惚れこんで、新潟支局に志願転勤してまで角栄番を続けたらしい。『田中角栄 戦後日本の悲し…

米本昌平 『遺伝管理社会』(弘文堂)

ナチズムの異様さを「優生学」の側面から説こうとした本。優生学はこの間まで日本の公衆衛生学にも存在していた。 1989年に初版を読んだときは気づかなかったが、著者はこのテーマを書こうとした人にしてはハナ・アーレントを読んだ形跡がない。p171に…

池澤夏樹 『すばらしい新世界』

ネパールの奥地にあるナムリンという2、30戸の小さな農村。そこに日本人技術者が数キロワットの小規模風力発電設備を作りに出かけるという物語。日本の家族論とそれを大きく包む日本的資本主義論にもほんの少し触れている。 ヒマラヤ大山脈のふもとにあるナ…