2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧
p392・402-3 私たちの世界観には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、世界は樹木状の分類項目に従う、つまりディレクトリのある、例えば動物・植物の分類表のような形をしているという考え方。いくつかの大きなカテゴリーがあって、その下にまたい…
「銃社会」アメリカの起源 p267-8 かつてのアメリカの場合、町を造るとすると、西部劇で見るように、その町は大平原の真ん中に造られて、独立あるいは孤立して存在します。周囲との関係が非常に薄い。すべて自立、自治でやらなければいけない。 ということ…
池澤夏樹は京都大学の依頼で2004年9月15日から一週間、「世界文学を読みほどく」という特殊講義を行った。実際に創作活動をしている人が語ると、ふだんの講義の中で大学の教員たちが語る文学の読み方とは違う掘り下げ方をしてくれるのではないかという、大学…
どうと言うことのない花街小説だが、解説で本作がモデル小説であることが暴露される。小林秀雄、中原中也、坂口安吾、青山二郎、白洲正子などの面々が作中人物の誰それと具体的に示されていて驚く。
学生時代と1980年に続いて3読目だが、今度は独特の心理分析や都市と文明の描写が難解すぎて読めなかった。70年と80年にも難しかったが、ついていこうとする気構えだけはあり、身体で理解しようとする突進力で読み進んだ。今回それができなかったのは、年齢の…
足、脚、寝姿の姿勢の多様さ、眼、口、顔・・・、人間の身体の各部の形態を捉えて、それが魚類以降どういう変遷を遂げ、いまの人間という動物ができあがってきたのか、その変遷にはどんな淘汰圧がかかって今の形に落ち着いたのか、などが巧みな文章でつづら…
1987年、2013年そして今年2021年と3度読んだ。私の大好きな感傷的リアリズム小説の最高峰と思う。今回は上下2巻を2日間で読んだ。 p223 直子が自殺を遂げた直後、「僕」が1か月間あちこちを放浪して彼女の死の衝撃に耐えようとしている箇所に少なからず揺さ…
言われていることだが、主人公坊っちゃんは漱石自身ではない。漱石は憎まれ役・赤シャツとして登場している。21歳の坊っちゃんはターナーもマドンナもゴーリキーも知らない。赤シャツはもちろんそれをすべて知っていて、生徒にもその方面の知識と教養を与…