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2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

アガサ・クリスティ 『ゼロ時間へ』(ハヤカワ文庫)

重い、軽い、いろいろな地位、境遇の多彩な登場人物、場面展開の適度な速さ、読者に名人芸の嫌味を感じさせない謎解きの論理・・・・・・、一定の水準を維持しながら何十年にもわたって100冊を超えるサスペンスをよくも書けたものだ、といつも思う。しか…

アガサ・クリスティ 『終りなき夜に生れつく』(ハヤカワ文庫)

善良に見えた主人公Aがじつは子供のころから犯罪性精神障害を示していた男だったという話。そういう人をアガサ・クリスティは「終りなき夜に生まれついた人」と名づけた。 Aは物欲が異常にはげしく、昔、学校仲間の少年がしているいい腕時計が欲しくてたまら…

レマルク 『西部戦線異状なし』(新潮文庫)

第一次大戦の若いドイツ兵は、学校の教師から強制的に志願させられた未成年が多かったという。その若者が、訓練中に古参下士官からいじめられ、新兵のうちに最前線で機関銃になぎ倒され、2、3年たつとずるくなって生き延びるようになるが結局は同じように…

バーバラ・W・タックマン 『八月の砲声』上(ちくま学芸文庫)

第一次世界大戦の西部戦線の激戦地はフランスだった。ドイツは150万の全軍を7軍に分け第1・第2・第3の主力3軍団をベルギー経由で反時計回りに動かす「シュリーフェン計画」をもってパリを攻略しようと考えていた。一方フランスは同じ150万を5軍…