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2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

村上春樹 『ダンス・ダンス・ダンス』講談社文庫

大ベストセラー『ノルウェイの森』の次に書かれた作品。長編小説としては6作目、1988年刊。 おなじみの羊男が出てきて主人公・僕が異界と関わるときの媒介役になる。羊男が何ものであるのかを知るためにも、『羊をめぐる冒険』を先に読んでおいた方がいいか…

村上春樹 『1973年のピンボール』(講談社文庫)

連合赤軍が警察機動隊に踏みつぶされた浅間山荘事件は1972年のことだった。その前から学生の全共闘各派は内ゲバを繰り返して衰退し、一般市民の共感を完全に失っていた。そして日本封建制の優性遺伝子を持つ彼らは、戦中の学徒動員を真似て雨中の大行進を東…

村上春樹 『遠い太鼓』(講談社文庫)

村上春樹は40歳前、初期のベストセラー『ノルウェイの森』と『ダンス・ダンス・ダンス』をヨーロッパで書いたらしい。二つの作品はおもにイタリアで書いたということだが、原稿を書きながらときどき近隣の国や地方を旅したり、執筆用に借りた家の付近で泳…