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2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

佐伯啓思 『さらば、資本主義』(新潮新書)1/2

第二章 朝日新聞のなかの「戦後日本」p35-49 2014年6月末、安倍政権が集団的自衛権についての従来の政府見解見直しを決めたころのことです。朝日新聞の東京・大阪本社版に、「制服向上委員会」なる「肩書き」をもった15歳女子高校生のインタビュー記事がの…

加藤周一 『日本人の死生観』(岩波新書)2/2

三島由紀夫――仮面の戦後派 下巻 p176-8 私(加藤)は太平洋戦争直後、戦後世代の作家たちが同席している場所で、何回か三島にあったことがある。当時の印象では、三島は非常に小さく、やせぎすで、眼が大きく、態度は神経質でぎこちないところがある一方、…

加藤周一 『日本人の死生観』(岩波新書)1/2

近代日本知識人の「自分の死」に関する考え方を、乃木希典、森鴎外、中江兆民、河上肇、正宗白鳥、三島由紀夫の6人を選んで、ケーススタディとして述べた本。そのうち特に興味深かった乃木希典と三島由紀夫について――二人はともに割腹自殺した――いくつかのパ…

シェイクスピア 『リチャード三世』(新潮文庫)

『リチャード三世』はシェイクスピアにとっては初期の習作にすぎなかったということだが、客入りや出版では大評判をとっていたらしい。1594年の初演に使われた四折り本が1623年の最初のシェイクスピア全集までに六度も版を重ねているそうだ。その人気の理由…

シェイクスピア 『ジュリアス・シーザー』(ちくま文庫)

この芝居、タイトルが『ジュリアス・シーザー』だから、シーザーが主役かと思っていたら違った。シーザーはただの殺され役だ。主役は『アントニーとクレオパトラ』でクレオパトラに溺れたあげく、オクタビアヌスに大敗して自殺したアントニーである。自分の…

中沢新一 『レヴィ=ストロース・野生の思考』(NHK100分de名著)

「NHK100分de名著」とは、「世界の名著を読もう」的な教養番組のための薄い教科書シリーズ。地デジ2チャンネルで放送されているらしい。そのうちの一冊である中沢新一氏のこの本をたまたま本屋で見つけ、パラパラめくっていたら、あの難しいレヴィ=ストロ…

丸山真男 『「文明論の概略」を読む』上(岩波新書)2/3

第3講 西洋文明の進歩とは何か――野蛮と半開 上巻 p104、 106−7 「御殿女中根性」が幅効かせる半文明化社会 福沢は幕末維新期の日本を野蛮期と文明期の中間段階にあるとしています。特色ある考えではないのですが用いられている言い方が興味深い。とくに社…