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夏目漱石

夏目漱石 「虞美人草」

p99 御機嫌に逆らったときは、必ず人を以て詫びを入れるのが世間である。女王の逆鱗は鍋、釜、味噌漉しのお供物では直せない。針鼠は撫でれば撫でるほど針を立てる。役にも立たぬ五重塔を腫れ物のように話の中に安置しなければならぬ。帝大卒の銀時計の手際…

夏目漱石 「草枕」

p58 蚤の国が厭になったって、蚊の国へ引越しちゃ、何にもなりません。 漱石はやはり大家である。猫、坊ちゃんから草枕のころまで、いったん書き始めたらほとんど書き損じて渋滞することはなかったらしいことを、後年鏡子夫人が関係者に述べている。昼も夜…