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大嶋幸範 『原発賠償費用を電気代にこっそり上乗せ』(朝日新聞投稿原稿)

 2月27日付本紙一面に「福島原発の賠償費 1世帯年587〜1484円を電気代に上乗せ 負担額は検針票には示されておらず、利用者の目には届かない」とあった。
 被害者に対する賠償の必要は理解できる。国や東電が巨額賠償に対する資金を短期的には用意できず、一般国民に負担を求めることも、理解できる。しかしその負担を「検針票に示さず、利用者にわからない」ように、いわば家計から「こっそりいただく」とはどういうことなのか。国はなぜ国民に対し堂々と「原発賠償用特別税として、電力会社ごとに1世帯年587〜1484円の負担を電気代に上乗せしてお願いしたい」と言えないのか。
 今回の電気代上乗せによる賠償費負担は、ヤミ課税のようなものである。国民は気づかないとタカをくくった詐欺行為である。こういう姑息なことをしているかぎり東電や当局の信用はいつまでも上がらない。(20170307大阪朝日記事)