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獅子文六 『悦ちゃん』 ちくま文庫

 なかなかの名品。作者らしくストーリーはどこまでもシンプル。1時間に70頁は読める。それでいて読者を飽きさせず、むりなくハッピーエンドに持ち込んでいく。以下は解説の一部をそのまま引く。

 「主人公悦ちゃんと碌さんを取り巻く人々が魅力的だ。碌さんの恋敵となる作曲家の細野夢月、碌さんのもう一人の恋人・鏡子さんの父親である指物師の久蔵、鏡子さんの義母・藤子さん、悦ちゃんの担任の先生・村岡先生・・・、彼らの存在が物語にぐっと奥行きを与えている。」