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高村 薫 『神の火』  新潮文庫

  若狭湾原発に対して「北」からのテロ攻撃が計画されているという話。

 かつて原発技術者だった主人公・島田が、CIA、北朝鮮KGBそして我が国の原子力規制機構などの激しい諜報戦に巻き込まれる。

 話の基本は面白いのだが、上巻を読んだ限りではメインストーリーの展開が遅く、周辺の役者たちの立ち回りの場面だけが多くて、退屈してしまった。下巻はかなり飛ばし読みしたが、主人公の島田と日野はわずか2丁の小火器と100本ほどのダイナマイトで原子炉建屋への侵入に成功し、原子炉本体のシールド設備の天井部を開けてしまうことに成功する。

・・・最後はもちろん警察軍に囲まれ、自殺するのだが。この話のように日本の原子炉建屋への侵入がもし可能なら、これを計画する国際テロ組織は数多く存在するだろう。